断熱リフォームの費用相場は?窓リフォームの価格帯を徹底解説
「冬の朝、暖房は効いているのに足元だけが冷える…」
「夏は2階の寝室が暑くて寝つけない…」
そんな悩みから断熱リフォームを調べ始めたものの、出てくる金額は数十万円から数百万円までさまざまで、ご自宅の場合はいくらになるのか掴みにくいと感じる方も多いのではないでしょうか。

断熱リフォームの費用は、範囲を絞れば数十万円台からでも始めやすく、なかでも窓は費用に対して体感の変わりやすい部位といえます。
この記事では、費用相場から補助金制度等、予算をイメージするための材料を詳しくまとめました。
<本記事で分かること>
・工事の範囲別・部位別にわかる断熱リフォームの費用相場
・窓の断熱リフォームで内窓と窓交換のどちらを選ぶべきかの判断軸
・見積もり額に差がつく理由と、後から追加費用が出るケース
・補助金を使うための条件と申請手順
目次
断熱リフォームにかかる費用は、施工する範囲や部位によって大きく異なります。
家全体をフルリフォームする場合は数百万円規模の予算が必要になることもありますが、お悩みに合わせて部分的に施工すれば、数十万円台からでも十分に効果を実感できます。
※これらはあくまで一般的な相場であり、ご自宅の面積や現在の断熱状況、使用する断熱材のグレードによって金額は変動します。
※これらはあくまで一般的な相場であり、ご自宅の面積や現在の断熱状況、使用する断熱材のグレードによって金額は変動します。
数ある断熱リフォームのなかでも、手軽に始められて体感温度が変わりやすいのが「窓」の断熱です。実は、冬場に室内の熱が逃げたり、夏場に外の熱が入り込んだりする原因の多くは、窓などの開口部にあると言われています。
また、床や壁、天井においては、床下点検口があるか、屋根裏に人が入れる高さがあるかで、同じ工事でも費用が変わります。
見積もりを見る前に、まずここを確かめておくと金額の見当がつけやすくなります。
床や壁と比べて、窓は小さな工事で効果を実感しやすい部位です。断熱リフォームで最初に窓をすすめられることが多いのも、このためです。
内窓は、現在付いている窓の室内側にもう1枚の新しい窓を取り付ける工法です。
壁を壊す大がかりな工事が不要なため、1窓あたり1〜2時間程度で完了し、ご家族が在宅したままでも手軽にリフォームできるのが大きな魅力といえるでしょう。
内窓の設置にかかる費用は、主に「窓のサイズ」と「ガラスの種類」によって変動します。断熱効果の高い「Low-E複層ガラス」を選んだ場合の目安は以下の通りです。
・腰高窓:約10万〜15万円
・掃き出し窓:約15万〜21万円
(※標準的な取り付け工事費を含む、民間リフォーム情報サイトの相場データをもとにした目安です)

ガラスを単板(1枚ガラス)にすれば費用は抑えられますが、十分な断熱効果を得るなら複層ガラス以上を選ぶのがおすすめです。
また、補助金の活用を視野に入れる場合は、さらに高い断熱性能が求められる点には注意しましょう。
予算に合わせて窓1箇所からでも施工できますが、同じ部屋に未施工の窓を残すと断熱効果を実感しにくくなります。
古い窓そのものを新しく断熱窓に取り替える場合、現在の主流となっているのが「カバー工法」です。
これは既存の窓枠を残したまま、その上から新しい枠と窓をかぶせる工法で、壁を壊さずに施工できるメリットがあります。
カバー工法で「Low-E複層ガラス」の窓に交換した場合の費用目安は、以下のようになります。
・腰高窓:約20万〜28万円
・掃き出し窓:約25万〜38万円
(※民間リフォーム情報サイトの相場データをもとにした目安です)
同じ窓枠に内窓を設置した場合と比較すると、費用はおおよそ2倍程度かかると考えておきましょう。

費用や断熱性能の面から内窓はお得に感じますが、窓が2枚になることで開け閉めや掃除の手間が増えたり、窓枠が室内側に張り出して部屋の見え方が変わったりするデメリットがあります。
一方で窓ごとの交換は、既存の窓の傷みやひどい結露を根本的に解決でき、使い勝手を変えずに長期的な満足度を高められるのがメリットです。
予算を抑えて手軽に断熱したい場合は「内窓」、根本的な解決や見た目のスッキリさを重視する場合は「窓交換」と、それぞれの特徴を踏まえて最適な方法を検討することが大切です。
ただし、マンションの場合は注意が必要です。窓ガラスやサッシは「共用部分」とみなされることが多く、窓ごとの交換は管理組合の許可が下りないケースがあります。事前に管理規約を確認した上で、ご自宅の状況に合ったリフォーム方法を選びましょう。

「ご近所さんと同じように内窓を5箇所設置したのに、うちの見積もりの方が高かった」 断熱リフォームを検討する際、このような疑問を持たれる方は少なくありません。
実は、同じような工事内容に見えても、費用を左右する要因は複数存在します。
具体的に差がつく主なポイントとして、以下の要素が挙げられます。
・使用する材料の性能やグレード
・ご自宅がもともと持っている条件(既存の構造や劣化具合など)
・施工にかかる手間や工法
つまり、現在の住まいの状況や、どのレベルの断熱性能を求めるかによって、見積もり金額は大きく変動するというわけです。単純な金額の比較だけでなく、ご自宅の条件に合った適切な素材と工法を選ぶことが、後悔しないリフォームの第一歩になります。
壁や床に入れる断熱材は、素材によって単価がはっきり違います。
断熱材の種類別コスト比較では、最も普及しているグラスウールを基準にすると、素材によって次のような価格差があります。
断熱材を選ぶ際の大きな基準となるのは、「ご予算」と「壁の現状」です。
それぞれの素材がどのようなケースに適しているのかをまとめました。
・グラスウール
費用をなるべく抑えたい場合におすすめです。価格が安く実績も豊富な素材であり、正しく施工できれば十分な断熱性能を発揮します。
・発泡ウレタン(吹き付け)
配管や配線が多く、壁の内部に隙間ができやすい場合に適しています。現場で直接吹き付けて密着させるため、仕上がりが安定し高い気密性を確保できるのがメリットです。
・セルロースファイバー
断熱性に加えて、防音性や調湿性が求められるお部屋に最適です。音の響きや湿気が気になる空間でよく選ばれますが、コストは高めになります。
このように、どの断熱材を選ぶかによって費用だけでなく得られる付加価値も変わってきます。リフォーム会社としっかりと相談しながら、お住まいの状況や目的に合った最適な素材を選びましょう。
築年数が金額に響くのは、既存の断熱材が使えるかどうかという点です。
例えば、住宅に断熱の基準が定められたのは1980年で、それ以前に建てられた家には断熱材がほとんど入っていません。
壁を開けたら空洞だった場合、既存材の交換ではなくゼロから充填する工事になり、材料費と手間がその分かかります。
1980年以降に建てられた家でも、当時の基準は今より緩く、断熱材の量が現在の水準に届いていないことが多いため、壁を開けてみると追加で入れられる余地が残っているケースが珍しくありません。
建物の構造によっても、選択できる工法や施工範囲は異なります。
・木造住宅の場合
柱と柱の間に断熱材をしっかりと詰め込む「充填断熱」が使えるため、比較的自由度の高いリフォームが可能です。
・鉄筋コンクリート造(マンション)の場合
壁の内側に薄型の断熱パネルを張る工法になることが多く、施工できる範囲が限られます。また、マンションの窓サッシは「共用部分」にあたるため、多くの管理規約で外側のサッシ交換が禁じられています。
実質的に選べるのは内窓(二重窓)の設置のみとなるケースが多いため、着工前に必ず管理規約を確認しておきましょう。
・戸建て(床下・小屋裏)の注意点
戸建てであっても、床下や小屋裏(屋根裏)の高さが足りない家では、選べる工法が絞られてしまうことがあります。
構造や規約による制約を正しく理解したうえで、信頼できる施工業者にしっかりと現地調査を依頼し、ご自宅の条件に合った最適なプランを提案してもらうことが大切です。

希望する工法や大まかな費用相場がわかっても、提示された見積り書の金額がそのまま最終的な支払額になるとは限りません。後から「こんなはずじゃなかった」と後悔しないためには、事前に起こりうるトラブルや見落としがちなポイントを把握しておくことが重要です。
ここでは、断熱リフォームで差が生まれやすい「追加費用」と「施工後の効果」という2つの注意点について詳しく解説します。
断熱リフォームでは、工事を進める過程で追加費用が発生するケースがあります。例えば、手軽な内窓設置であっても、既存の窓枠の奥行きが足りない場合は「ふかし枠」という部材を追加して枠を手前に出す必要があり、1箇所あたり1万〜3万円程度の費用が加算されるのが一般的です。さらに、壁の下地補強や結露による窓枠の傷み補修が加われば、費用はさらに膨らみます。
また、床や壁を開ける大がかりな工事では、開けてみて初めてシロアリの被害や土台の腐朽が見つかることもあり、断熱材を入れる前に想定外の補修工事が必要になることも少なくありません。
こうした予期せぬ追加費用を最小限に抑えるためには、契約前の綿密な現地調査が欠かせません。
<追加費用を防ぐために確認しておきたいチェックポイント>
・窓枠の寸法(奥行きなど)を正確に採寸しているか
・床下や小屋裏の状況を実際にのぞいて確認しているか
・どのような条件で追加費用が発生するか、事前に明確な説明があるか
※ふかし枠や下地補強の金額は窓ごとの条件で変わる目安です。実際に必要かどうかは、現地で窓枠の奥行きを測ったうえでのお見積もりでご確認ください。
まとまった費用をかけたにもかかわらず、体感温度が変わらない原因の多くは「断熱する範囲の狭さ」にあります。
一部屋の中で窓を1箇所だけ未施工のまま残したり、壁の1面だけを断熱したりしても、対策をしていない残りの面から熱が出入りしてしまうため、十分な効果は得られません。
断熱リフォームをする際は、以下のポイントを意識して予算の計画を立てましょう。
<予算計画から意識しておきたい「3つのチェックポイント」>
・部屋単位でひとまとめに断熱する
断熱効果を実感するには、一部の壁だけでなく、部屋単位で「床・壁・天井・窓」をまとめて囲うように施工するのが基本です。
・施工の丁寧さ・確実さを重視する
断熱材と柱の間に少しでも隙間があると、そこが熱の通り道になってしまいます。性能の高い材料を使っても、施工が雑であればカタログ通りの効果は発揮されず、コンセント周りなどに結露が生じるケースもあります。
・お部屋の中の家具配置を見直す
見落とされがちですが、背の高い収納家具が窓や暖房の吹き出し口を塞いでいると、暖まった空気が部屋全体に循環しません。

住まいの断熱性を高めて年間を通して快適な暮らしを実現したいとお考えなら、国や自治体が提供する補助金制度を活用するのがおすすめです。
国の制度の中心にあるのが、環境省が推進する「先進的窓リノベ2026事業」です。既存住宅の窓やドアを高い断熱性能を持つ部材へリフォームする工事が対象となり、一戸あたり最大100万円まで補助されます。
補助金の額は「ガラスの断熱性能」と「窓のサイズ」によって規定されているため、施工箇所の数が同じであっても選ぶ製品のグレードによって受け取れる金額が変化するのが特徴です。
・補助上限額
一戸あたり最大100万円
・対象工事
既存住宅の窓・ドアの断熱改修工事
・内窓設置の対象基準
熱貫流率Uw1.5以下の「Sグレード以上」の製品が対象。一般的な複層ガラス相当である「Aグレード(Uw1.9以下)」は内窓設置では対象外
高い断熱効果を得つつ手厚い補助金を受け取るためには、見積もりの段階で希望する製品が「Sグレード以上」に該当しているかを施工業者へ必ず確認しておきましょう。
「先進的窓リノベ2026事業」の申請手続きは、あらかじめ登録された事業者が行う仕組みになっています。お住まいになる方ご自身で直接申請することはできませんので、まずは登録事業者へ相談することが最初の一歩となります。
実際の施工から補助金受け取りまでの手続きは、以下の順序で進みます。
1.契約前に依頼先が登録事業者かどうかをチェック
2.計画に基づいた断熱改修工事の契約および着工
3.施工完了後、施主様へ引き渡し
4.登録事業者が事務局へ交付申請手続きを代行
交付申請の受付は2026年春頃から開始され、遅くとも2026年12月31日までとされています。ただし、申請額が国の予算上限に達した時点で期限前であっても締め切られる点には注意が必要です。
(9月1日時点では予算に対する補助金申請額※の割合(概算値)は空きがある状態です)
断熱リフォームを検討されている方は、予算上限による早期終了に備えて年内の早い時期から事業者へ相談・準備を進めておくと安心です。
断熱リフォームの費用は、家のどこまで手を入れるかで大きく変わります。窓だけなら45万〜200万円程度、家全体に手を入れるなら500万円を超えることもあり、まずは寒さや暑さを一番強く感じている場所から範囲を絞っていくのが現実的です。
なかでも窓は費用に対して体感が変わりやすく、内窓なら1窓9万〜20万円程度から始められます。先進的窓リノベ2026事業や東京都などの自治体の補助金を組み合わせれば、負担はさらに抑えられます。
※本記事で紹介した費用はいずれも一般的な目安です。工事範囲や建物の状態、選ぶ製品によって変わるため、正確な金額は現地調査のうえでのお見積もりでご確認ください。
家具の大正堂は、相模原市・藤沢市・横浜市・八王子市にショールームを構える家具店で、リフォーム部門も運営しています。インテリアコーディネーターが在籍しているため、内窓の枠の色からカーテン、家具の配置まで含めてご相談いただけます。
「この部屋の寒さをどうにかしたい」という段階から、お気軽にお声かけください。
<参考>
環境省 先進的窓リノベ2026事業 対象要件の詳細
https://window-renovation2026.env.go.jp/overview/
環境省 先進的窓リノベ2026事業 申請手続きの詳細
https://window-renovation2026.env.go.jp/application/
環境省 先進的窓リノベ2026事業について
https://www.env.go.jp/earth/earth/ondanka/building_insulation/window_00004.html
東京都(クール・ネット東京) 既存住宅における省エネ改修促進事業
https://www.tokyo-co2down.jp/subsidy/ene_reform/ene_reform_r08/
「夏は2階の寝室が暑くて寝つけない…」
そんな悩みから断熱リフォームを調べ始めたものの、出てくる金額は数十万円から数百万円までさまざまで、ご自宅の場合はいくらになるのか掴みにくいと感じる方も多いのではないでしょうか。

断熱リフォームの費用は、範囲を絞れば数十万円台からでも始めやすく、なかでも窓は費用に対して体感の変わりやすい部位といえます。
この記事では、費用相場から補助金制度等、予算をイメージするための材料を詳しくまとめました。
<本記事で分かること>
・工事の範囲別・部位別にわかる断熱リフォームの費用相場
・窓の断熱リフォームで内窓と窓交換のどちらを選ぶべきかの判断軸
・見積もり額に差がつく理由と、後から追加費用が出るケース
・補助金を使うための条件と申請手順
目次
断熱リフォームの費用相場は全体でいくら?
断熱リフォームにかかる費用は、施工する範囲や部位によって大きく異なります。家全体をフルリフォームする場合は数百万円規模の予算が必要になることもありますが、お悩みに合わせて部分的に施工すれば、数十万円台からでも十分に効果を実感できます。
断熱リフォーム全体の費用相場(工事タイプ別の目安)
|
工事内容 |
費用相場 |
備考 |
|
窓のみ(内窓設置) |
約45万〜200万円 |
5〜10箇所(1箇所約9万〜20万円) |
|
家全体(窓・床・天井・壁) |
約500万〜800万円 |
解体・全面施工を含む総額 |
※これらはあくまで一般的な相場であり、ご自宅の面積や現在の断熱状況、使用する断熱材のグレードによって金額は変動します。
部位別(床・壁・天井)の費用相場
|
部位 |
解体せず施工できる場合 |
解体が必要な場合 |
|
床(60㎡) |
約30万〜70万円 |
約120万〜190万円ほど |
|
天井(100㎡) |
約50万〜110万円 |
約200万〜310万円ほど |
|
壁 |
約19万円台〜(内壁6畳2面、面積前提が異なる目安) |
約140万〜220万円ほど |
数ある断熱リフォームのなかでも、手軽に始められて体感温度が変わりやすいのが「窓」の断熱です。実は、冬場に室内の熱が逃げたり、夏場に外の熱が入り込んだりする原因の多くは、窓などの開口部にあると言われています。
また、床や壁、天井においては、床下点検口があるか、屋根裏に人が入れる高さがあるかで、同じ工事でも費用が変わります。
見積もりを見る前に、まずここを確かめておくと金額の見当がつけやすくなります。
窓の断熱リフォームにかかる費用相場
床や壁と比べて、窓は小さな工事で効果を実感しやすい部位です。断熱リフォームで最初に窓をすすめられることが多いのも、このためです。
内窓(二重窓)を設置する場合の費用
内窓は、現在付いている窓の室内側にもう1枚の新しい窓を取り付ける工法です。
壁を壊す大がかりな工事が不要なため、1窓あたり1〜2時間程度で完了し、ご家族が在宅したままでも手軽にリフォームできるのが大きな魅力といえるでしょう。
内窓の設置にかかる費用は、主に「窓のサイズ」と「ガラスの種類」によって変動します。断熱効果の高い「Low-E複層ガラス」を選んだ場合の目安は以下の通りです。
・腰高窓:約10万〜15万円
・掃き出し窓:約15万〜21万円
(※標準的な取り付け工事費を含む、民間リフォーム情報サイトの相場データをもとにした目安です)

ガラスを単板(1枚ガラス)にすれば費用は抑えられますが、十分な断熱効果を得るなら複層ガラス以上を選ぶのがおすすめです。
また、補助金の活用を視野に入れる場合は、さらに高い断熱性能が求められる点には注意しましょう。
予算に合わせて窓1箇所からでも施工できますが、同じ部屋に未施工の窓を残すと断熱効果を実感しにくくなります。
窓交換・サッシ交換をする場合の費用
古い窓そのものを新しく断熱窓に取り替える場合、現在の主流となっているのが「カバー工法」です。
これは既存の窓枠を残したまま、その上から新しい枠と窓をかぶせる工法で、壁を壊さずに施工できるメリットがあります。
カバー工法で「Low-E複層ガラス」の窓に交換した場合の費用目安は、以下のようになります。
・腰高窓:約20万〜28万円
・掃き出し窓:約25万〜38万円
(※民間リフォーム情報サイトの相場データをもとにした目安です)
同じ窓枠に内窓を設置した場合と比較すると、費用はおおよそ2倍程度かかると考えておきましょう。

費用や断熱性能の面から内窓はお得に感じますが、窓が2枚になることで開け閉めや掃除の手間が増えたり、窓枠が室内側に張り出して部屋の見え方が変わったりするデメリットがあります。
一方で窓ごとの交換は、既存の窓の傷みやひどい結露を根本的に解決でき、使い勝手を変えずに長期的な満足度を高められるのがメリットです。
予算を抑えて手軽に断熱したい場合は「内窓」、根本的な解決や見た目のスッキリさを重視する場合は「窓交換」と、それぞれの特徴を踏まえて最適な方法を検討することが大切です。
ただし、マンションの場合は注意が必要です。窓ガラスやサッシは「共用部分」とみなされることが多く、窓ごとの交換は管理組合の許可が下りないケースがあります。事前に管理規約を確認した上で、ご自宅の状況に合ったリフォーム方法を選びましょう。
断熱リフォームの費用を左右するポイントとは?

「ご近所さんと同じように内窓を5箇所設置したのに、うちの見積もりの方が高かった」 断熱リフォームを検討する際、このような疑問を持たれる方は少なくありません。
実は、同じような工事内容に見えても、費用を左右する要因は複数存在します。
具体的に差がつく主なポイントとして、以下の要素が挙げられます。
・使用する材料の性能やグレード
・ご自宅がもともと持っている条件(既存の構造や劣化具合など)
・施工にかかる手間や工法
つまり、現在の住まいの状況や、どのレベルの断熱性能を求めるかによって、見積もり金額は大きく変動するというわけです。単純な金額の比較だけでなく、ご自宅の条件に合った適切な素材と工法を選ぶことが、後悔しないリフォームの第一歩になります。
断熱材の種類やグレードによる価格差
壁や床に入れる断熱材は、素材によって単価がはっきり違います。
断熱材の種類別コスト比較では、最も普及しているグラスウールを基準にすると、素材によって次のような価格差があります。
|
断熱材 |
1平方メートル(㎡)あたりの価格目安 |
|
グラスウール |
約500円〜1,000円 |
|
発泡ウレタン(吹き付け) |
約1,500円〜4,000円 |
|
セルロースファイバー |
約1,800円〜4,500円 |
断熱材を選ぶ際の大きな基準となるのは、「ご予算」と「壁の現状」です。
それぞれの素材がどのようなケースに適しているのかをまとめました。
・グラスウール
費用をなるべく抑えたい場合におすすめです。価格が安く実績も豊富な素材であり、正しく施工できれば十分な断熱性能を発揮します。
・発泡ウレタン(吹き付け)
配管や配線が多く、壁の内部に隙間ができやすい場合に適しています。現場で直接吹き付けて密着させるため、仕上がりが安定し高い気密性を確保できるのがメリットです。
・セルロースファイバー
断熱性に加えて、防音性や調湿性が求められるお部屋に最適です。音の響きや湿気が気になる空間でよく選ばれますが、コストは高めになります。
このように、どの断熱材を選ぶかによって費用だけでなく得られる付加価値も変わってきます。リフォーム会社としっかりと相談しながら、お住まいの状況や目的に合った最適な素材を選びましょう。
建物の築年数による違い
築年数が金額に響くのは、既存の断熱材が使えるかどうかという点です。
例えば、住宅に断熱の基準が定められたのは1980年で、それ以前に建てられた家には断熱材がほとんど入っていません。
壁を開けたら空洞だった場合、既存材の交換ではなくゼロから充填する工事になり、材料費と手間がその分かかります。
1980年以降に建てられた家でも、当時の基準は今より緩く、断熱材の量が現在の水準に届いていないことが多いため、壁を開けてみると追加で入れられる余地が残っているケースが珍しくありません。
建物の構造による違い
建物の構造によっても、選択できる工法や施工範囲は異なります。
・木造住宅の場合
柱と柱の間に断熱材をしっかりと詰め込む「充填断熱」が使えるため、比較的自由度の高いリフォームが可能です。
・鉄筋コンクリート造(マンション)の場合
壁の内側に薄型の断熱パネルを張る工法になることが多く、施工できる範囲が限られます。また、マンションの窓サッシは「共用部分」にあたるため、多くの管理規約で外側のサッシ交換が禁じられています。
実質的に選べるのは内窓(二重窓)の設置のみとなるケースが多いため、着工前に必ず管理規約を確認しておきましょう。
・戸建て(床下・小屋裏)の注意点
戸建てであっても、床下や小屋裏(屋根裏)の高さが足りない家では、選べる工法が絞られてしまうことがあります。
構造や規約による制約を正しく理解したうえで、信頼できる施工業者にしっかりと現地調査を依頼し、ご自宅の条件に合った最適なプランを提案してもらうことが大切です。
断熱リフォーム検討時に見落としがちな2つの注意点

希望する工法や大まかな費用相場がわかっても、提示された見積り書の金額がそのまま最終的な支払額になるとは限りません。後から「こんなはずじゃなかった」と後悔しないためには、事前に起こりうるトラブルや見落としがちなポイントを把握しておくことが重要です。
ここでは、断熱リフォームで差が生まれやすい「追加費用」と「施工後の効果」という2つの注意点について詳しく解説します。
見積り金額だけで判断しない!追加費用の発生リスクと対策
断熱リフォームでは、工事を進める過程で追加費用が発生するケースがあります。例えば、手軽な内窓設置であっても、既存の窓枠の奥行きが足りない場合は「ふかし枠」という部材を追加して枠を手前に出す必要があり、1箇所あたり1万〜3万円程度の費用が加算されるのが一般的です。さらに、壁の下地補強や結露による窓枠の傷み補修が加われば、費用はさらに膨らみます。
また、床や壁を開ける大がかりな工事では、開けてみて初めてシロアリの被害や土台の腐朽が見つかることもあり、断熱材を入れる前に想定外の補修工事が必要になることも少なくありません。
こうした予期せぬ追加費用を最小限に抑えるためには、契約前の綿密な現地調査が欠かせません。
<追加費用を防ぐために確認しておきたいチェックポイント>
・窓枠の寸法(奥行きなど)を正確に採寸しているか
・床下や小屋裏の状況を実際にのぞいて確認しているか
・どのような条件で追加費用が発生するか、事前に明確な説明があるか
※ふかし枠や下地補強の金額は窓ごとの条件で変わる目安です。実際に必要かどうかは、現地で窓枠の奥行きを測ったうえでのお見積もりでご確認ください。
費用をかけたのに寒い?断熱リフォームで効果を感じにくいケース
まとまった費用をかけたにもかかわらず、体感温度が変わらない原因の多くは「断熱する範囲の狭さ」にあります。
一部屋の中で窓を1箇所だけ未施工のまま残したり、壁の1面だけを断熱したりしても、対策をしていない残りの面から熱が出入りしてしまうため、十分な効果は得られません。
断熱リフォームをする際は、以下のポイントを意識して予算の計画を立てましょう。
<予算計画から意識しておきたい「3つのチェックポイント」>
・部屋単位でひとまとめに断熱する
断熱効果を実感するには、一部の壁だけでなく、部屋単位で「床・壁・天井・窓」をまとめて囲うように施工するのが基本です。
・施工の丁寧さ・確実さを重視する
断熱材と柱の間に少しでも隙間があると、そこが熱の通り道になってしまいます。性能の高い材料を使っても、施工が雑であればカタログ通りの効果は発揮されず、コンセント周りなどに結露が生じるケースもあります。
・お部屋の中の家具配置を見直す
見落とされがちですが、背の高い収納家具が窓や暖房の吹き出し口を塞いでいると、暖まった空気が部屋全体に循環しません。
【2026年秋】断熱リフォームで利用できる補助金制度

住まいの断熱性を高めて年間を通して快適な暮らしを実現したいとお考えなら、国や自治体が提供する補助金制度を活用するのがおすすめです。
最大100万円補助!「先進的窓リノベ2026事業」の条件と対象製品
国の制度の中心にあるのが、環境省が推進する「先進的窓リノベ2026事業」です。既存住宅の窓やドアを高い断熱性能を持つ部材へリフォームする工事が対象となり、一戸あたり最大100万円まで補助されます。
補助金の額は「ガラスの断熱性能」と「窓のサイズ」によって規定されているため、施工箇所の数が同じであっても選ぶ製品のグレードによって受け取れる金額が変化するのが特徴です。
・補助上限額
一戸あたり最大100万円
・対象工事
既存住宅の窓・ドアの断熱改修工事
・内窓設置の対象基準
熱貫流率Uw1.5以下の「Sグレード以上」の製品が対象。一般的な複層ガラス相当である「Aグレード(Uw1.9以下)」は内窓設置では対象外
高い断熱効果を得つつ手厚い補助金を受け取るためには、見積もりの段階で希望する製品が「Sグレード以上」に該当しているかを施工業者へ必ず確認しておきましょう。
手続きの流れと早期申請が必須となる重要ポイント
「先進的窓リノベ2026事業」の申請手続きは、あらかじめ登録された事業者が行う仕組みになっています。お住まいになる方ご自身で直接申請することはできませんので、まずは登録事業者へ相談することが最初の一歩となります。
実際の施工から補助金受け取りまでの手続きは、以下の順序で進みます。
1.契約前に依頼先が登録事業者かどうかをチェック
2.計画に基づいた断熱改修工事の契約および着工
3.施工完了後、施主様へ引き渡し
4.登録事業者が事務局へ交付申請手続きを代行
交付申請の受付は2026年春頃から開始され、遅くとも2026年12月31日までとされています。ただし、申請額が国の予算上限に達した時点で期限前であっても締め切られる点には注意が必要です。
(9月1日時点では予算に対する補助金申請額※の割合(概算値)は空きがある状態です)
断熱リフォームを検討されている方は、予算上限による早期終了に備えて年内の早い時期から事業者へ相談・準備を進めておくと安心です。
まとめ
断熱リフォームの費用は、家のどこまで手を入れるかで大きく変わります。窓だけなら45万〜200万円程度、家全体に手を入れるなら500万円を超えることもあり、まずは寒さや暑さを一番強く感じている場所から範囲を絞っていくのが現実的です。
なかでも窓は費用に対して体感が変わりやすく、内窓なら1窓9万〜20万円程度から始められます。先進的窓リノベ2026事業や東京都などの自治体の補助金を組み合わせれば、負担はさらに抑えられます。
※本記事で紹介した費用はいずれも一般的な目安です。工事範囲や建物の状態、選ぶ製品によって変わるため、正確な金額は現地調査のうえでのお見積もりでご確認ください。
家具の大正堂は、相模原市・藤沢市・横浜市・八王子市にショールームを構える家具店で、リフォーム部門も運営しています。インテリアコーディネーターが在籍しているため、内窓の枠の色からカーテン、家具の配置まで含めてご相談いただけます。
「この部屋の寒さをどうにかしたい」という段階から、お気軽にお声かけください。
<参考>
環境省 先進的窓リノベ2026事業 対象要件の詳細
https://window-renovation2026.env.go.jp/overview/
環境省 先進的窓リノベ2026事業 申請手続きの詳細
https://window-renovation2026.env.go.jp/application/
環境省 先進的窓リノベ2026事業について
https://www.env.go.jp/earth/earth/ondanka/building_insulation/window_00004.html
東京都(クール・ネット東京) 既存住宅における省エネ改修促進事業
https://www.tokyo-co2down.jp/subsidy/ene_reform/ene_reform_r08/


